恐山いた子の独り言

「初代ハヤブサの成功の陰に」

ハヤブサ2のカプセルの帰還と惑星「リュウグウ」の岩石採取の成功の話題、盛り上がっているよね。どこのテレビ局を見てもその話題の番組やっているので、あまり見なかったんだけど、某国営テレビでやっていた、初代ハヤブサのドキュメントでプロジェクト成功の裏話やっていて感心したことがあるんだよね。
それは、初代ハヤブサの打ち上げの話で、初代ハヤブサは、種子島の内之浦発射場から打ち上げられたんだけど、5月に打ち上げしなければならないことになったらしいんだよね。
我々素人は、ロケットの打ち上げって、上がって行くロケットばかりを見ているけど、途中で切り離されるブースター等のことはあまり考えないよね。宇宙に飛んで行く衛星はロケットの先端部分だけで、後の容積で言えば90%近いロケット推進部分は途中で切り離されて、海に落ちるか、宇宙空間をさ迷い、再度大気圏に落下して燃え尽きるかなんだよね。
そのドキュメントで話題になっていたのは、5月の打ち上げ時期には、種子島周辺の海は、カツオ漁などの最盛期で、海に漁船が沢山出ている時期らしいんだよね。漁船が居るところにブースターが落ちて来ては危ないから、普通だと、5月には打ち上げはやらないらしいんだよね。でも初代ハヤブサは5月に打ち上げられなければならない事情があったらしく、その問題を解決するのに苦労したという話らしいのさ。
当時の打ち上げ基地の責任者の方が、関係漁協を回って、打ち上げの前後数日間の休漁を漁協に要請して、苦労に苦労を重ねた挙句、その責任者の方の情熱が漁協を動かして、休漁保証という形で納得してもらい、打ち上げ当日の海を空けてもらったと言うんだよね。
初代ハヤブサは、途中で行方不明になったり、イオンエンジンが故障したりで、幾多のトラブルを克服して地球に生還したということで有名になったけど、打ち上げの前にも、幾多の困難を乗り越えて成功を勝ち取ったんだよね。前人未到の世界を克服するためには、表には出てこない、幾多の難関を克服して成功があるんだよね。

2020年12月28日