恐山いた子の独り言

最近の脳研究のトピックを読んでいたら、高齢者(いや若者にもかな)に耳寄りな話題が出ていたんだよね。それは、一般に高齢になると「物覚えが悪くなり、頭の働きが鈍くなる」と考えられている概念を覆す研究結果なんだよね。
一つの例として、「シアトル縦断研究」があるらしいよ。それは、約5000人を対象に、加齢による脳の様々な変化を半世紀以上にわたり調査した研究らしいのさ。その結果は、認知力を測る6種類のテストのうち、4種類で高齢者が20代より良い成績だったというんだよね。記憶力と認知スピードは20代が勝るんだけど、言語力、空間推論力、単純計算力、抽象的推論力に関しては、高齢者の方が勝る結果だというんだよね。この研究では、加齢による記憶力の低下は、個人差が大きく、被検者の15%程度は、高齢になってからの方が記憶力が向上するという結果だったらしいよ。どうして、高齢者で言語力とか抽象的推論能力などが向上するかというと、加齢により脳の機能が低下した分、脳の複数の部分を使って処理することが出来るようになるからだというんだよね。若い人は一か所しか使わないところを、複数個所で処理するように訓練するから、加齢で脳自体の能力が低下しても、複数個所を使って処理することで低下した分を補えるということらしいよ。そう言われると、高齢者が優れる4種類の能力のいずれもが、経験値で向上する要素を持っている能力ばかりだものね。
人間って、日常生活をする中では、脳のほんの数十パーセントしか使っていないとも言われているから、脳にはまだまだ潜在能力があるんだよね。でもその潜在能力を引き出すのに必須なことは、健康な体を維持することと、脳に刺激を与え続けることらしいのさ。何もしないで「ポワン?」としていては脳に刺激は無いので能力は引き出せないよね、常に何かをすることが大切なんだよね。脳の潜在能力を引き出すのも、死なせてしまうのも自分次第ということだよね。これからは、何でも年のせいにするのは、せっかく潜在能力を秘めている自分の脳に失礼かもね。

2020年10月26日