山の神の独り言
ススキって、中秋の名月を愛でるためのアイテムとして定着しているよね。満月とススキとお団子で中秋の名月を楽しむ、日本文化の風情だよね。何百年も前からある風習なので日本の文化に染み込んでいるよね。昔の人は、楽しみが少なかったから、一年の季節の移り変わりの中でも、チョットした機微を捉えて楽しんでいたんだよね。山の神の住む青森県の下北地方でも、ここ数日の間にあっという間にススキが穂を出したんだよね。先週、七福神の森で作業していた時は気が付かなかったから、先週はススキの新穂は出ていなかったんだよ。今週七福神の森へ行ったら、あちこちにススキの新穂が出ていたんだよね。ススキって、秋の七草の一つで「尾花」というらしいんだけど、秋を代表する草だよね。でも山の神は、ススキの新穂を見ると夏が終わったんだなとほっとするんだよね。まだまだ暑い中でススキの新穂が出るので秋の草という実感は無いし、穂が満開に開いている様子は秋を感じるけど、出たばかりの新穂は細くピンと立っているので、ススキらしい感じはあまりないよね。でも夏の短い下北地方では、ススキの新穂が出始めると駆け足で秋風が吹き始めるんだよね。秋風が吹くと良い季節になるけど、やがて冬も来るということなので、ちょっと心が引き締まる感じもするんだよね。そう言えば、七福神の森で、夏の間に大きな葉っぱを広げていたフキも枯れているものが目につくようになったし、確実に秋は近づいている気がするよ。ススキの新穂はそういう意味で、山の神につかの間の清涼感を与えてくれる草なんだよね。