恐山いた男の独り言
「危機管理という非日常に関して思うこと」
最近、世界情勢が騒がしいので、「危機管理」という言葉をあちこちで聞くよね。どこかの企業のコンピューターシステムがサイバー攻撃を受けて、危機管理体制を見直すとか、台湾有事の場合の日本の防衛に関する危機管理の在り方、などという言葉が頻繁に聞かれるようになったよね。危機管理ということは、日常では起こらないけど、万が一危険が及んだ場合にどの様に対処するか予め準備しておく体制のことだよね。危機管理で有名なのは、軍艦が攻撃を受けた場合に被害を最小限に食い止めるいわゆるダメージコントロール(ダメコン)が有名だよね。太平洋戦争中に被害を受けたアメリカの船が驚異の速さで戦場に復帰していたのは、ダメージコントロールチームが機能していたからだとも言われているんだよね。日本の海上自衛隊でも、ダメージコントロールチームの訓練は常に行われていて、船腹に穴が開いて浸水して来た時にそれを止める訓練なんかやっているよね。常に危機に曝されやすい現場では、ダメージコントロールの様に危機管理が日常的に行われているけど、危機とは程遠い平和な社会では、危機管理という概念自体が希薄だよね。今回の、コロナウイルス流行のように、社会全体を危機が襲っているにも関わらず、有効な手立てが打てていないのは日頃の危機管理が出来ていなかったからだよね。新型コロナの流行で、サプライチーンがダメージを食らって、一部の医薬品の供給が止まっている七福神家の大家さんなんかも、「医薬品は半導体と同じで、戦略物資なのだから、政府の体制としても考えて欲しいよな!」と言っているんだよね。社会とか産業を支える重要物質の危機管理というのも真剣に考えるべきだよね。