山の神の独り言
「自然保護のための造林とは?」
山の神たちは、SDGsの達成を目標に山林の育成をやっているんだよね。SDGsの趣旨に沿った山林育成って、色々な考え方があって難しいんだけど、基本的には自然環境を守りながら、材木の生産をするという事なんだよね。材木の生産をするという事は、木を切るという事だから自然破壊の様に見えるけど、山林の木は、100年程度で更新しないと山林としての活力が衰えるので、成長した木を切るということは、自然更新を人間の手で行っているということなんだよね。
ただ最近言われていることは、従来の様に杉とかヒバのような商業価値の高い木材だけを植えて単純な森林にしてしまうと、「生物多様性」の観点から問題があるという指摘が出ているんだよね。生物多様性ってSDGsの目標の中にも入っているんだけど、総ての生き物(微生物から人間まで)がバランス良く生息するという意味だと山の神は考えているんだよね。総ての生物だから、山林の土壌生物を含めて、山林に暮らす総ての生物がバランスよく生息するということだよね。だから山林の中では、むやみに木材を引いたりして森の中の表土を攪乱するべきではないし、育成している杉やヒバ以外の灌木は邪魔だから切り払って良いというものではないんだよね。
山の神の理想としては、杉やヒバが立っている足元には、緑豊かに灌木とか広葉樹の低木が育っているのが理想だと思うんだよね。そのためには、森の中に適度に光を入れるための間伐も必要だし、苗木を植樹した部分の下草刈りの時も、楢とかクヌギ等の広葉樹の幼樹を残して下草を刈る等の配慮が必要だと思うんだよね。ただ、苗木も小さいし、広葉樹の幼樹も小さいので、成長した時のイメージが湧きにくくて、どの広葉樹の幼樹を切って、どれを残すかを迷うんだよね。杉とかヒバは落葉樹でないので、秋に葉を落として森に養分を供給するという事をしないので、なるべくなら、針葉樹と広葉樹の混交林に育てるのが理想だよね。
下草刈りの作業をしながら、広葉樹の幼樹のどれを切ってどれを残すかを考えながら作業をしているんだけど、自分でもしっかりしたイメージが持てないので、とても難しいんだよね。山の神、まだまだ修行が足りません!