恐山いた子の独り言

「デジタル覇権という言葉に思うこと」

最近、経済ニュースなどで良く耳にする言葉に「デジタル覇権」という言葉があるよね。デジタル覇権って何のことと思う人も多いと思うけど、これだけデジタル通信、デジタル機器が世の中の隅々まで浸透していると、デジタルデバイスって「産業の米」になっているんだよね。
最近では、5Gの技術で中国に覇権を握られようとしている状況に、アメリカをはじめとした同盟国が危機感を持っているよね。また、マイクロチップなどの生産でも、中国依存からの脱却という観点から、アメリカを中心としたデジタルデバイスの生産体制の囲い込みをしようとしているんだよね。
最近のニュースでも度々報道されているけど、マイクロチップの供給不足で、自動車が生産できないということとか、スマホの生産が制限されているとか、今の社会で動いている総ての機械にデジタルデバイスが使われているから、デジタルデバイスを制する者が世界の覇権を制すると考えられているんだよね。現在の世界的状況を見ると、マイクロチップ関連の産業としては、中国、台湾、韓国の企業が上位に位置していて、日本の大手メーカーはいずれも後塵を拝している状況だよね。
1990年代は、東芝、パナソニック、ソニーなど、日本の企業が上位を独占していた時代があったんだよね。それが最近では、影も形も無くなって、東芝の倒産問題に象徴されるように、企業が弱体化して国際競争力を無くしているんだよね。国際競争力を無くしているのは、科学技術・科学研究の面でも同じなんだよね。最近、ノーベル賞を受賞している人達が若いころに一生懸命頑張っていた時代は、ノーベル賞に値する素晴らしい研究がなされていたけど、最近の日本は、あの頃の様にハングリーなスピリッツが無くなっているもんね。
過去に、日本が握っていたマイクロチップの技術の優位性も保てなくなっている現状に、いた子は、日本の国の活力が落ちている現実を感じるんだよね。国力が落ちている現状では覇権など握れるわけないものね。国力の復活に必要なのは、ハングリー精神だと、いた子は思うんだよね。

2021年05月17日