山の神の独り言

「ドイツ林業ってすごい!」

最近、ドイツの林業に関する本を読んだのさ。
我々日本人の感覚だと、ドイツって世界有数の工業国だというイメージがあるよね。でもドイツって、世界有数の林業国でもあるんだよね。ドイツの就業人口に関するあるデータでは、シーメンス等を筆頭とした電器産業が約80万人、フォルクスワーゲン等を筆頭とする自動車産業が約77万人に対して、森林観光なども含めた森林関係の就労人口が120万人と群を抜いて多いんだよね。
ドイツでは、林業の就労者に関する国家資格も厳密に制定されていて、資格取得は難関とされているらしいのさ。林業関係の国家資格の最高峰「高等森林官」は、試験が難関であることでも知られているらしいけど、若者のなりたい職業のランキングでも、医師と並んで人気上位を長年占めているということらしいよ。高等森林官の下にも、いくつかの国家試験を必要とする森林業の従事に関する資格があり、一般の森林作業者でも、国家資格がないとなれないということらしいよ。
ドイツの森林業の従事者がこのように職業人として高いレベルが要求される理由としては、国家ぐるみで森林業を基幹産業として位置付けて施策として力を入れているからなんだよね。またドイツには「一人の医者は一人の患者を救うが、一人の森林官は万人を救う」という諺があるくらいで、森林が森林浴とかレジャー等で国民の健やかな社会生活を守るために必須の要素としてとらえられているらしいんだよね。
日本では、森林業って衰退産業として、キツイ、キタナイ等の負のイメージがあるけど、国によっては全然違う産業になっていることに驚かされるわけよ。山の神も、日本の森林業がドイツ並みに高いレベルになることを夢見て頑張りたいと思っているんだよね。

2020年12月25日