山の神の独り言

「種から芽生えたハイビスカスには個性がある」

山の神は仕事柄、植物を育てるのが好きで、それで森林の仕事もしているんだよね。
自分で植えた木がすくすくと育つのを見ていると、子供たちの成長を見ているようで心が休まるんだよね。
山の神の大家さんの薬局でも、山の神が薬局内にある植物の世話をしているんだよ。
今年(2020年)は、店内にあるハイビスカスから昨年獲れた種を50粒くらい育苗用のプランターに植えて40株くらい発芽したんだよね。
その後、育苗用の少し大ぶりのポットに株分けして、現在は30鉢ほど成長しているんだよ。
ハイビスカスの苗の成長を観察していて思うんだけど、同じ親の木から獲れた種から発芽した株でも、一本一本特性が違って、成長の早いものからいつまでたっても大きくなれずに小さい葉っぱを茂らせているものと千差万別なんだよね。
中には親株と全く違う形質の葉っぱになっているやつもあって、こういうのを「突然変異」と言うんだなと思うんだよね。
きっとエンドウ豆の遺伝法則を発見したメンデルも、そうゆう形質の違う株を見つけて、遺伝の法則を発見したんだろうなと思うわけよ。
メンデルが偉いところは、変異の出現率を統計的に処理して遺伝子の伝搬を科学的に証明したことだよね。
メンデルの法則ではないけど、身近でも突然変異的なことが起こると、植物をはじめとした生物ってこんなかたちで変異しながら進化してきたんだなとしみじみ、自然の偉大さを実感するんだよね。
たかがハイビスカスの苗の成長を見て、自然界の偉大さを想像している山の神って誇大妄想癖があるのかもしれないけどね。

2020年12月07日