山の神の独り言

最近、七福神の森にJR貨物の中古コンテナが来たんだよね。
なぜコンテナが来たかというと、これまで七福神の森では、林内作業車の車庫に棚を入れて物品を保管してきたんだけど、地面に直接車庫が建っているので、湿気が上がって金属の刃物が何も使わなくても錆びるという現象が起こったからなんだよね。
普段我々は床と地面の間に空間がある住居に住んでいるので、湿気に悩まされることってそんなに多くないよね。
水回りのある台所に置いた包丁でも、乾燥していれば自然に錆びることはあまりないけど、七福神の森の車庫に置かれた刃物は錆びたんだよね。
そういえば昔、土間の納屋に保管してある刃物類が錆びているのを思い出して、地面から直接上がる湿気の影響に驚かされたんだよね。
元来、鉄って酸素と結合して酸化鉄(これが錆びと言われる物)として自然界の存在するのが自然なんだけど、刃物を使う側としては困ったことなんだよね。
酸化鉄の原石(鉄鉱石)から純粋な鉄を取り出す技術って、紀元前1500年くらいに中東で栄えたヒッタイト帝国で確立されたと言われているんだよね。
鉄鉱石を熱して、炭素により酸化鉄の酸素を一酸化炭素にすることで純粋な鉄が生成できること、中学の理科でやったよね。
でも鉄ってイオン化傾向(酸素と反応する力)が強いから、湿った空気の中では自然と酸素と結合して酸化鉄である錆びを作るんだよね。
七福神の森の地面から上がった湿った空気が、刃物の鉄を酸化して錆びを作っていたんだよね。
自然の営みの中でも、化学反応が起こっていたということだよ。
錆びた刃物は、ワイヤーブラシとか砥石などで錆びを落としてから、湿気の上がらないコンテナに収納するんだけど、コンテナって意外と気密性が高くて、今度こそ錆びは出ないと思うよ。

2020年11月26日