恐山いた男の独り言
「世界一貧しい大統領」として話題になったことがある、ウルグアイの第40代大統領のホセ・ムヒカ上院議員(85歳)がこれまで務めてきた上院議員を辞職して引退するというニュースあったよね。
ホセ・ムヒカ上院議員は、大統領時代、大統領公邸に住まずに自分の自宅である農家に住んで、給料のほとんどを寄付して、若者に農業を教える農業学校を設立したりした、いわゆる「清貧の人」だよね。大統領時代も、自分の家の家畜に自ら餌をやったりして、財産と言えば、自分の家と農園、トラクターと家畜だけだったという稀に見る徳政家なんだよね。少年時代に、近くに住む日本人移民から花の栽培を教えてもらって、自ら栽培することで家計を助けたという逸話もあって、移民日本人の勤勉さに敬意を持っていた親日家としても知られているらしいよ。ムヒカ上院議員は、世界中の政治家とか権力者が忘れている「清貧」という理念を実践した人としては貴重な存在だよね。新渡戸稲造の著書である「武士道」にあるように、昔の武士は「清貧」の人が多かったよね。自己の栄達とか利益より、人間としての理念とか道徳を重んじる生き方だよね。でも、人間って弱いから、権力を握ったり、お金持ちになって周囲の人がチヤホヤするようになると、「清貧」の志を忘れてしまうんだよね。一国の大統領になっても、「清貧」の志を忘れないで自分のスタイルを守り抜くということはなかなか出来ないことだよね。
権力とか、富とかは、いた男には無縁のものだけど、人間って、少し生活が安定したりすると、今の生活に満足して、初心を忘れがちになるよね。逆境でも、順風満帆でも、初心を忘れずに清貧を貫ける人生って「かっこいい!」よね。