恐山いた男の独り言

9月2日のテレビのニュースで出ていたけど、香港の行政長官が、香港政府は司法と立法の上に立つ権限を有するという発言をしたということだよ。我々は、三権分立という言葉を社会科の教科書で学習し、国家は、司法、立法、行政の三権で成り立ち、三権で、お互いがお互いを監視し合いバランスを取ることで国家が成り立つと教えられてきたよね。香港の教科書にも三権分立が書かれていて、学生は三権分立の教育を受けてきたというんだよね。でも今回の行政長官の宣言で、教科書から三権分立の条項は削除されて、行政が司法と立法の上に立つということになったらしいよ。三権分立という制度は、民主主義の根本だよね。三権が独立しているから、国民の権利が守られて、国民は自由に発言が出来て、バランスが取れた国政運営が出来ているんだよね。それが、司法と立法の上に行政が存在するということになると、行政が全ての権限を持って、司法も立法も機能しなくなるということだよね。そんな国って、独裁国家ではないかと、いた男は思うわけよ。司法と立法が機能しなくなると民主主義ではなく政府という名の王政もしくは帝政だよね。政府が抑止力を無くして何でも出来るようになったら、国民の権利も尊重されないし、法律なんてあって無いようなものだよね。そんな国家が現代の世界に存在すること自体信じられないよね。そういえば、中国の人民解放軍って、国の軍隊ではなく、中国共産党の軍隊なんだよね。だから天安門事件の時も、市民に向かって発砲しても何ら問題にならなかったんだよね。ということは、中国には、国民を守るための軍隊は存在しないんだよね。司法も立法も、行政の下に存在するということになれば、国民のための政府ではなく、政府のための政府になってしまうので、主権者であるはずの、国民の権利は守られないということだよね。最近の香港のデモを見ていると、以前に比べて一桁多い逮捕者が出ているし、政府を批判したからということだけで逮捕されているよね。民主主義の国で教育を受けた我々には信じられないことだよね。

2020年09月10日