山の神の独り言
夏も盛りで、毎日暑い日が続くよね。山の神が住んでいる、青森県の下北地区は、8月が終わると涼しい風が吹く日が多くなり、暑さに弱い山の神としては助かるんだよね。山の神が管理している「七福神の森」では、8月の盛夏になるとオニヤンマが大発生するんだよね。オニヤンマって、自然破壊が進む市街地ではほとんど見られなくなっているけど、七福神の森ではそれこそ「オニヤンマの乱舞」が見られるんだよね。七福神の森は、林内に水芭蕉が咲く沼地があり幾本もの小川が流れているので、オニヤンマの生息には適していると思うんだよね。ちなみにオニヤンマと共に良く見られるのは、ギンヤンマで、普通のトンボはあまり見られないという、いわゆる「ヤンマ天国」状態なんだよね。オニヤンマってトンボの分類の中では、不均翅亜目のオニヤンマ科に属していて、ヤンマ科のギンヤンマとは属する科が違うんだよね。オニヤンマに外見が良く似ているトンボに、コオニヤンマというやつが知られているらしいけど、コオニヤンマはサナエトンボ科で目の位置が微妙に違うので、判別がつくらしいけど、飛んでいるトンボでは見分けはつかないよね。山の神は森林作業で忙しいから、オニヤンマとかギンヤンマには目もくれないけど、トンボを好きな人にとっては、七福神の森は天国だと思うよ。山の神も子供の頃は、めったにいないオニヤンマとかギンヤンマを田んぼの畔で見つけて、捕まえるのに半日近くかかって追いまわし、やっと一匹捕まえたときは、「やった!」と思ったものだよ。いま七福神の森でオニヤンマやギンヤンマが乱舞しているのをみると、緑豊かな田んぼの畔とはいえ、田んぼでは農薬が使われ、自然環境が破壊されていたからオニヤンマやギンヤンマが少なかったんだなとつくづく思うわけよ。やっぱり自然環境って人間の手で守らなければいけないものだよね。