恐山いた男の独り言
「シニア世代のダンディズム」
ダンディズムという言葉を知っている人、最近はあまり多くないかもしれないよね。「ダンディーな男」という言い方は古語になってしまったのかもしれないけど、いた男のように400年も生きている人間にとっては、大正から昭和初期にかけて良く言われていた「モボ・モガ」と同じくらい新しい言葉なんだよね。国語辞書によると、ダンディーという言葉は、「服の着こなしがおしゃれで、振る舞いなどが洗練されている様子」という定義らしく、昔からの言葉で言うと「伊達男」ということらしいんだけど、いた男から言わせると、インテリジェンシーが高い伊達男だと思うんだよね。イメージから言うと、山高帽をかぶったイギリスの学士号を持った紳士という感じかな?最近、七福神家の大家さんが言うには、男は何歳になっても、ダンディズムを実践するべきで、歳を取ったからと言って、「しおれた爺」になってはいけないと言っているんだよね。最近は、健康年齢が高くなっているので、年齢を重ねても元気な人が多くて、「しおれた爺」はあまり見ないんだけど、「ダンディーな爺」は少ないよね。いた男が思うには、ダンディーの源は「男としてのプライド」だと考えているんだよね。男女平等の時代なので、あまり「男風」を吹かせてもいけないと思うけど、男女平等な社会だからこそ、女性を尊重して敬意を払うのも男らしさだし、男性にしか出来ないことを、プライドを持って率先してやるのも男らしさだよね。いた男は、そんな男がダンディーな男だと思うんだよね。もう一つ、ダンディーな男にとって必要なのは身だしなみだよね。「おしゃれ」というのは、綺麗な服を着るとか豪華な腕時計をするとかではなく、基本的に見苦しくなく体のお手入れをするという事だと思うんだよね。髪伸び放題、鼻毛伸び放題、髭伸び放題ではダンディーとは言えないよね。七福神家の大家さんも、休日に七福神の森へ作業に行く時でも、綺麗に髭を剃って、身だしなみを整えてから行くんだよね。山へ行くとき虫が寄るので、化粧水などはタブーなんだけどね。周囲の人からは、作業着でどうせ体が汚れるんだから、身だしなみは構わなくていいんじゃないと言われるんだけど、大家さん曰く、七福神家の山の神は男だけど、山に住む山の神は女性なので、身だしなみが悪くては嫌われると言っているんだよね。どんな場面でも、ダンディーというのは男のプライドだから必要だよね。