山の神の独り言
「雪が溶けて七福神の森にも春が来ました!」
最近、全国各地の桜の開花のニュースが聞こえて来て、1週間も経たないうちに、早い地方では桜満開のニュースまで聞こえているよね。今年は、春が早いというもっぱらの話で、山の神が住んでいる下北地区でも、春の訪れは例年になく早いんだよね。七福神の森でも、北斜面に位置するようなところでは部分的に雪が残っていたりするけど、例年に比べれば雪が残っている量は少ない気がするんだよね。雪が溶けると、これまで雪に埋もれて押しつぶされていたヒバの苗を起こす作業があるんだよね。小さい木は柔軟性があるので雪にペッシャンコに押しつぶされて地べたに這いつくばっていても、少し手で起こしてやるとピンと立ち上がるんだよね。山の神がヒバの苗を作っている森も、北斜面で雪が深いので、小さい苗たちは、雪に押しつぶされて地べたに這いつくばっているんだけど、「苗起こし」をしてやるとシャキッと立ち上がって、空の方向を向いてくれるんだよね。雪が溶けたばかりで草木が眠っている森の斜面って草木がぺっしゃんこに地面に這いつくばっているので、何も無い更地のようになっているんだけど、草木が芽吹いて成長すると、一気にジャングル状態になるんだよね。刻々と変わる森の変化にはいつも驚かされるんだよね。ところどころに雪が残っている沢の部分では、水芭蕉の芽が噴出しているんだよね。水芭蕉って雪解けを待たずに、周囲に雪が残っていても、雪が消えた部分から順に芽を出すので、水芭蕉の芽が雪を溶かしているかのように錯覚するくらい春を告げる植物なんだよね。今は未だ緑のとんがり帽子の様な芽がニョキニョキと出ているんだけど、あと1週間もすると大きな葉っぱを広げて、独特な白い花を咲かせるんだよね。水芭蕉の花が咲くと、「春が来た!」と思うんだよね。