山の神の独り言
「冬、雪の森歩きの楽しみ」
雪が降って辺り一面真っ白な雪景色になると、七福神の森も様相を一変させて、真っ白な白銀の世界になるんだよね。雪の森の楽しみは、スノーシューを履いて、雪面を歩くことなんだよね。特に新雪の森は、未踏の地に踏み分ける様な冒険心がくすぐられて、山の神の冒険心を満たしてくれるんだよね。新雪だから、スノーシューを履いていても、足がズブズブと雪の中にめり込んで、歩き難いんだけど、新雪を踏み分けるという楽しみの方が勝るんだよね。森の中を歩くので、山あり谷あり、なもんだから、急斜面を登る場合などは、スノーシューのアイゼンも効かなくて、四つん這いになって手でも踏ん張らないと、斜面を登り切れない場合もあって、ずるずると斜面を落ちてしまうこともあるんだよね。反対に、斜面を降りる時は、雪の上をそのまま滑るので、どんな急な斜面でも、斜面から飛び降りる感覚で楽々降りられて、スノーシューでスキーをしている感覚なんだよね。雪が無いと、危なくて降りられない様な斜面でも、雪があると雪の上を滑り落ちる感覚で楽々降りられるので、雪のクッションの効果ってすごいなと思うんだよね。これもまた、雪の森歩きの楽しみなんだよね。冬の森を歩く時は、熱くて甘いミルクコーヒーをステンレスの保温ポットに入れて持ち歩くんだよね。雪に吹雪かれた時などは、地面近くまで枝を張った杉とか青森ヒバの根元には雪が少なくてタコつぼの様になっているので、そんな穴に潜り込んで、周りの枝を座布団代わりにして座って、甘くて暑いコーヒーを飲むと、コーヒーの熱と砂糖の甘味で体が生き返るんだよね。木幹に背中を持たれかけて、緑の葉の中から吹雪いている雪を見ていると、自然の中に抱かれている気分になるんだよ。雪って、冷たくて嫌な感じを持っている人が多いかもしれないけど、防寒対策をきちんとして、それなりの準備をして臨めば、雪の森は楽しいものなんだよね。