山の神の独り言
「稚魚の放流事業に学ぶ自然界の厳しさ」
11月3日の「七福神の森」の写真でも紹介したけど、七福神の森の中の田屋向平の七福神の森の脇を流れている青平川の清流には、魚も居るんだけど、小さい奴がまばらにしかいなくて、小魚が群れをなして泳ぐ姿が見られないんだよね。七福神家の大家さんは、向平の七福神の森で作業する度に、青平川を眺めては、「もう少し魚影が濃くても良いのに!」といつも思っているらしいんだよね。先日、大家さんが、「なあ山の神、青平川にニジマスの稚魚を放流したら、もっと魚影が見れて楽しいと思わんか?」というわけよ。山の神が「大家さん、ニジマスは基本的に日本の固有種の魚でないから、自然豊かな青平川へ放流すると、日本固有の生態系を乱すもとになるからあまり感心しませんよ!」と答えたら、「そうか自然破壊はいかんな!」と言ってしばらくその話はしなくなったんだよね。そしたら、しばらく経ってから、「山の神、ニジマスが駄目ならヤマメとかイワナはどうだろうか?」と言ってきたんだよね。山の神は「ヤマメとかイワナなら日本固有の魚種だから良いかもしれませんけど・・・」と答えを濁して曖昧に答えておいたんだよね。でも山の神としても「ヤマメとイワナだったら日本の固有種だし、自然に馴染むかな?」と思って、ヤマメとイワナの放流事業に関して資料を調査してみたんだよね。そして分かったことは、ヤマメもイワナも、放流して成魚になる確率は、3-5%という研究結果が出ていたんだよね。100匹放流して、3-5匹しか成魚にならないのか、「コスパ悪い!」と思ったんだよね。でもよくよく考えると、「それが自然の法則で、それだけ自然は厳しいという事なんだよな!」と納得もしたんだよね。山の神は青平川の自然の景観に魅せられて、川の中で生存競争を戦っている魚たちの厳しさを実感できないけど、自然の美しさの中には、そんな厳しさもあってこその自然なんだよなと、つくづく自然の偉大さに畏敬の念を抱いたんだよね。