恐山いた男の独り言
「ハロウィンって何?」
韓国のソウルで、ハロウィンで繁華街に集まっていた人達が、将棋倒しになって100人を超える死者が出た事件、テレビのニュースで報じられているよね。ニュースの画面を見ていると、人々が集まり過ぎて身動きが取れない状態のなっていて、人の動きに人が押されて、自分の意志で動けない状態になっていたみたいだよね。七福神家の大家さんが、あの映像を見て、旧国鉄時代の山手線のラシュ時の混雑より酷いと言っていたんだよね。大家さんも東京に行った時なんかラッシュに遭遇したことが何回かあったみたいなんだけど、電車が動きだしたり止まったりする度に、人の圧力で息が止まるかと思ったことが何回かあったと言っていたんだよね。そもそもハロウィンでどうして繁華街にあんなに人が集まるのか、いた男は不思議でならないんだよね。東京の渋谷のスクランブル交差点のハロウィンの混雑も有名になったけど、歩いている人達は、お面をかぶり、仮装してただ歩いているだけにしか見えないんだよね。七福神家の大家さんが、アメリカのテネシー州に留学していた時にもハロウィンは経験したらしいだけど、すごく静かな夜で、人々は教会とか、近所の親しい人達とか、友人同士とかのコミュニティごとに集まって賑やかにパーティをするというスタイルだったと言っていたんだよね。ハロウィンってキリスト教徒の祝祭だから、お祭りではなくてお祝いなんだよね。仏教にも、灌仏会とかお盆の様な祭儀があるのと同じだよね。お盆には皆集まって、盆踊りなんかもするけど、街に繰り出して大騒ぎしている人はいないよね。ハロウィンもお盆と同じようにコミュニティで集まってお祝いする儀式なんだから、自分のコミュニティで「こじんまり」とお祝いしていれば韓国の事件のようなことにはならないんだよね。ハロウィンに渋谷の交差点を歩いている人の映像を見ると、何らかのコミュニティに所属出来ずに、人間関係の希薄さからただ放浪している様にも見えるんだよね。