山の神の独り言

「山の神、下草刈り作業中にニホンカモシカに遭遇す」

七福神の森の下草刈りは、板屋久保の七福神の森の1haを完了して、9月4日から新しい現場での作業が始まっているんだよね。そこは、今年の春に杉林の中に、複層林化のために、青森ヒバを植林した向平(むかいひら)という七福神の森の一つなんだよね。2haに約1,600本の青森ヒバを植えたので樹間は比較的余裕があって、下草刈りはしやすいんだよね。先日、そこの現場で下草刈りの作業をしていたら、生い茂った灌木の中を、黒っぽい背中の大型犬くらいの動物が歩いて来るのを発見したんだよね。黒い背中の大型犬くらいの動物と言えば「熊」だよね。山の神もとっさに「熊か!」と思い身構えたんだけど、熊の歩き方とは違って、真っ直ぐスタスタと歩く感じなんだよね。かなり近づいて顔が見えた時に、「ああ!ニホンカモシカだ!」と分かったんだよね。野生のニホンカモシカって体は薄い褐色なんだけど、背中の部分の毛が黒い奴が結構いるんだよね。向平の七福神の森では、以前からニホンカモシカを見かけていたんだけど、良く見る奴よりは小型で、多分メスか子供だと思うよ。そのニホンカモシカは、20mくらいまで近づいてきた時に、顔を上げて山の神を発見したんだよね。最初は驚いたような顔をしていたんだけど、山の神が「オーイ!ニホンカモシカ元気か?」と声を掛けると、しばらく山の神を観察していたんだけど、自分の森の侵入者だということが分かったらしく、恐る恐る後ろを振り返り、体を反転させてポクリポクリと山の上の方に逃げて行ったんだよね。山の神が思うには、向平の七福神の森は、青平川という小さな川に面しているので、川に水を飲みに来たんだと思うんだよね。山の神としては、ニホンカモシカのドリンクタイムを邪魔して悪かったと思うんだけど、山の神にも下草刈りという仕事があるので、致し方ないよね。本来、ニホンカモシカのテリトリーである森林に人間様が入り込んで、木を植えたり、下草刈りをしているのだから、邪魔しているのは人間様の方で、ドリンクタイムを邪魔されたニホンカモシカは「また人間が俺たちの森に入り込んで、俺たちの邪魔をしているんだよ!」と怒っているかもね。ニホンカモシカのドリンクタイムを邪魔した山の神としては、彼らのテリトリーにお邪魔して、仕事をさせて頂いている立場だから、もっと謙虚に自然を敬うことを大切にしないといけないなと、少し反省した場面でした。

2022年09月05日