山の神の独り言
「今年もススキの穂が出始めました、夏が終わります!」
例年書いているけど、旧盆が過ぎて、下北地方にはススキの穂が出始めました。山の神は、ススキの穂が出始めると、「夏が終わった!」としみじみ思うんだよね。夏が終わるというのは、夏休みが終わるのと同じで、四季の中で一番活動的な季節が終わったという哀愁もあるんだけど、森林で仕事をしている山の神としては、夏の暑さと、滝の様に流れる汗から解放されるという嬉しい面もあるので多少複雑なんだよね。下北地域では、ススキの穂が出始めると、気温もぐんと下がって涼しくなるんで、森林の仕事は楽になるけど、秋の風が立ち始めると、その向こうに冬がくるという予感も想起されて、夏の暑さが名残惜しくなるんだよね。気温が下がると森林での作業が楽になるのは、暑さだけではなく、アブ・ブヨと蚊の活動性も落ちるから、あまり刺されなくなる面でも楽にはなるんだけど、やはり夏へのノスタルジーを感じるよね。ススキの穂が出始めると、山野の空気の透明度が増して、清々しい気持ちになるんだよね。ススキの穂の季節になると、ドングリとか栗のイガも大きくなって、実りの予感も感じるよね。山の神の様に、自然の中に溶け込んで暮らしている者にとっては、自然のメッセージってとても大切なものなんだよね。自然の中で暮らすという事は、自然のメッセージを感じつつ、それぞれの季節に合わせながら自然と調和しながら日々を送るのが「山の神流」なんだよね。そんな意味でも、秋の訪れを告げるススキの穂のメッセージ性ってインパクトあるんだよね。