恐山いた子の独り言

「いた男、風邪(ふうじゃ)に取りつかれる」

最近、恐山家のいた男は、喉が痛くて、咳が頻繁に出る症状に悩まされているんだよね。もともと喘息の傾向があるので、咽頭感染を起こすと症状が出やすいんだよね。いた男は、頻繁に「風邪(ふうじゃ)」が取りついたと言っているんだけど、風邪(ふうじゃ)でなくて風邪(かぜ)じゃないのと言っているんだけど、いた男が言うには、風邪(かぜ)と風邪(ふうじゃ)は違うと言うんだよね。いた男曰く、中国医学では、六淫(りくいん)とう呼ばれる邪気(じゃき)が原因で種々の病気が起こるとされているらしいんだよね。六淫というのは、風(ふう)、寒(かん)署(しょ)湿(しつ)、燥(そう)、火(か)の6種があり、それぞれ風邪、寒邪(かんじゃ)、暑邪(しょじゃ)湿邪(しつじゃ)、燥邪(そうじゃ)、火邪(かじゃ)と呼ばれ、自然現象の中で、風や寒さ、湿気、乾燥、暑さなどの気候や環境変化が、人の呼吸や皮膚を通じて、外界から体内に取り込まれて病気の原因になるという考え方らしいんだよね。いた男が科学的に言うには、人間の生理状態は、外界の影響を受けて常に変化するのだから、六淫の影響を強く受けているから、中国医学が言っていることは、あながち迷信などのレベルではないと言うんだよね。ただ中国医学では、風邪(ふうじゃ)というレベルは、鼻水とか体の痛みとか頭痛などの、風邪(かぜ)の初期症状を言うのであり、体が風邪(かぜ)にならないための防衛戦をしている段階だと言うんだよね。現代で言う風邪(かぜ)のようにすでに感染を起こしたり喉が腫れたりしているのは、風邪(ふうじゃ)に取りつかれた体が抵抗しきれずに病気になるというのが、いた男の考えなんだよね。さすが400年も生きていて経験を積んでいるだけあって、昔の医学の事も知っているし、現代医学も少しは知っているらしいのよ。まあ、理論はいいから早く風邪(かぜ)を治してね。

2022年08月22日