山の神の独り言
「崩落法面を守りながら自然保護を考える」
夏の下草刈りを終えて、七福神の森は静けさを取り戻しているんだよね。
下草刈りの代わりに、最近やっている作業は、下草刈りで伐採した太めの灌木を活用した、道路の法面の土留め作業なんだよね。七福神の森の皆伐をした時に、山の斜面を削って、道路を通しているので、削った部分の法面の土がむき出しになっていて、徐々に崩れて、道路の面を土砂が覆う状況になりつつあるんだよね。特に冬に法面の表土が凍結すると、氷で表土が浮くので、春になって氷が解けると、浮いた部分の土が柔らかくなっているので法面を崩れ落ちて来て、道路を覆うんだよね。何とか法面の崩落を抑えるために、法面の最下部に杭を打って、そこに放置されている丸太とか太めの灌木を法面に平行に入れると、そこで土砂が止まって、道路への崩落が阻止出来るんだよ。
今、山の神は、下草刈りで放置された太めの灌木を集めて、杭を作り、法面と道路の境に杭を打って丸太を詰める作業をしているんだよね。土留めをした法面に、自然更新で発芽して苗に成長した松とか杉を移植すると、法面に草や木が生えるようになり、法面が植物でおおわれて崩落はおこらなくなるんだよ。山の神としては、下草刈りで出た太めの灌木を、そのまま朽ちさせてしまうよりは、法面の保護に活用した方が良いと思ってやっているんだよね。でも山林の自然全体から見れば、法面が崩れて人間が削った道路も埋まり自然に帰るんだよね。それが自然の営みなんだけど、山の神は道路を残すために法面の崩落を食い止めているんだよ。
法面を草木の生える自然の姿に戻ると、法面の崩落は止まるから、身勝手に人間が削った道路法面を自然に戻すためにも地道な作業が必要なんだよね。