山の神の独り言
「茂った草むらに獣道!」
梅雨の時期から初夏にかけて、一雨ごとに木々も雑草も成長する季節だよね。七福神の森の雑草たちも今が盛りと成長しているんだよね。
今年は、七福神の森のヒバの植樹の部分の下草刈りをすることになったので、盛りと伸びた雑草の中に道を確保するために、道の部分を予備的な草刈りをしているんだよね。道の部分の草刈りをしていると、部分的にすでに刈られたように草丈が短い部分があるんだよ、誰かすでに草を刈ったのか?と思ったんだけど、山の神以外に草刈りをする人はいないので変だなと思ったんだよね。それでよくよく見たら、草の先端の部分が、刃物で切ったのではなく、千切り取ったような跡があるんだよ。しかもその部分には、細い一筋の獣道の痕がついていて、これは七福神の森を水飲み場にしているニホンカモシカの仕業だと分かったんだよね。
雑草の部分を観察していると、その他にも草を嚙み切った痕が残っていて、あちこちで雑草を食べているみたいなんだよね。特に好まれているのは、草の先端に穂の着く牧草系の草と、葉っぱの大きいカヤ系の草、さらには肉厚の葉っぱの水草系の草なんかが好んで食べられているみたいなんだよね。しかもどこでもニホンカモシカの踏み痕の細い獣道が付いているんだよ。おそらく、結構な頻度で、同じ道を歩いているみたいで、獣道がしっかり踏み固められているんだよね。多分、一定の間隔で一定の道を歩いて、七福神の森の草を食べ歩いているんだよね。
最終的には水場の方へ獣道が続いているので、食べた後に水を飲んでいるんだよ。食み痕が付いているルートは、道にもなっているもんだから、下草刈りの道を確保するために、獣道の草をだいぶ刈ってしまったから、ニホンカモシカの食事を邪魔してしまったかな?と少し申し訳ない気がしているんだよね。「七福神の森のニホンカモシカ君、ゴメンネ!」、でも下草刈りは自然保護でもあるので理解してもらいたいね。