恐山いた男の独り言(1)

東日本大震災の津波の被害、大変なことになったよね。被害の状況を物語るのにいつも使われる言葉で、「想定外の大地震」とか「想定外の大津波」という言葉がよく使われているけど、福島第一原発の件でこの言葉の意味を考えさせられているんだよね。日本の原発の設置基準を決める会議で、当然、予想される津波の最大規模が議論になったという話なんだよね。その時に、委員の一人で津波災害の専門家から、平安時代に三陸地方で10メートルを超えると思われる津波が起こっているので、予想される最大津波の高さを10メートル以上にするべきではないかという意見が出たらしいんだけど、会議の結論では、10メートルを超える津波を設置基準にしたら、原発の建設に金がかかりすぎるという理由からその意見は無視されたという事なんだよね。つまり最大津波の想定という数値は、科学的根拠に基づいたものではなく、経済効率の観点から決められていたという事だよね。国民の安全に責任を持ち、原発の安全を確保しなければいけない学識経験者の会議で、科学的事実より経済効率が優先されていいものだろうか?恐山いた男が考えるところでは、今回の福島第一原発の事故の責任は、東京電力にあるのは当然だけど、原発の安全基準を決めた国、そしてこの会議のメンバーにもあると思うんだよね。学識経験者の会議といっても、結局は国とか企業の望む結論を出して、権力に迎合していたということだよね。国とか企業が望むような考えを持って、意向に沿って動く科学者のことを「おやとい科学者」と言うよね、学問的に秀でていなくても、こうゆう人達の所には、国の研究補助金とか企業からの寄付金が集まるから、学会でも実力者に成りやすいよね。でも科学的事実を無視した結果が、今回の福島第一原発の事故だから、これらの基準を決めた人達はもっと責任を感じるべきだよね。マスコミの報道では、東京電力の社長とか、管総理大臣が避難民の皆さんに謝っているけど、科学的事実を想定外として無視し、原子力発電に関する安全の基準を決めた審議会のメンバーの人達も、想定外を決定するまでの経緯を公開して、今後に2度とを今回の様な人災を起こさないための反省を公開でするべきだと思うんだよね。

2011年04月23日